「SCHOREM(シュコーラム)」世界トップの人気を誇るバーバーショップについて、彼らにゆかりのある川上に話を聞く。


「SCHOREM(シュコーラム)」世界トップの人気を誇るバーバーショップについて、彼らにゆかりのある川上に話を聞く。

「SCHOREM(シュコーラム)」というバーバーショップを知っているだろうか。

このバーバーは、ヨーロッパを中心に世界中へアメリカンバーバースタイルを発信し、多くのファンを集めている。

彼らのロックなカウンターカルチャーに染まったスタイルはたまらなく魅力に溢れる。決して長くはない歴史の中で、彼らはどのようにして世界トップレベルのバーバーショップまで成長したのだろうか。

彼らと深い関わりを持つ、アパッシュオーナー川上にSCHOREM(シュコーラム)の魅力やエピソードについて聞いた内容を記事にした。やはりバーバーカルチャーは掘れば掘るほど面白い。カットを楽しむだけでなく、歴史や物語を知るとより深くバーバーを楽しんでもらえるかもしれない。

世界中から人気を集めるバーバーショップ「SCHOREM(シュコーラム)」とは

SCHOREM(シュコーラム)は、オランダにあるバーバーショップだ。ヨーロッパの中でも決して大きくはないオランダという国の中で、首都アムステルダムから列車で約1時間の距離にあるロッテルダムという街に店を構え、ポンパドールやフラットトップなどのクラシックなバーバースタイルを専門としている。

シュコーラムは、アイコン的存在かつ代表のLeenとBertusの2人を筆頭に、20人にも満たない人数のクルーで構成されている。そんなローカルに根ざした小規模のバーバーショップだが、彼らの人気は国境や大陸を超え、現在では世界中にまで広まっている。2024年2月の時点でYouTubeチャンネルの登録者数は約58万人、Instagramのフォロワー数は約50万人と、SNSを見てもその人気の強さは明らかだ。

彼らが凄まじい速さで世界トップのバーバーにまで上り詰めた理由の一つには、どこよりも早くアメリカンバーバースタイルのカット・スタイリングを動画にしてネットアップした所にある、と川上は語る。そして、詳しくは後ほど触れるが「REUZEL(ルーゾー)」というオリジナルのポマードブランドをリリースしたことも彼らの人気を強く後押しした。

カット技術はさることながら、ブランディングやセルフプロモーションにも圧倒的に長けているのが、彼らSCHOREMなのである。

川上が知るSHCOREM(シュコーラム)の歴史

バーバーショップ「SCHOREM」は、LeenとBertusの2人で始まった。当時は2人とも理容師ではなく美容師だったと言う。世界的ポマードブランド「RAYLITE(レイライト)」を手がけるDonnie Hawley(ドニーハーリー)がディッキーズとのコラボツアーでヨーロッパを回ってカットショーを行っていたとき、LeenとBertusは彼のカットを見てアメリカンバーバースタイルへの憧れがより膨らんだという背景があるのだと語る。

そして、店を置くロッテルダムは世界大戦の当時に大きな爆撃の被害を受けた街。そのため街には歴史を感じさせるもの・ヴィンテージの要素がとても少ない。SCHOREMはその街でクラシックなスタイルの空間・体験を提供する唯一無二のバーバーショップとして街の象徴的な存在にもなっているのだ。

SCHOREM(シュコーラム)のバーバースタイル

彼らは伝統的なアメリカンバーバースタイルを踏襲しながら、ヨーロッパのロックンロールカルチャーを取り入れた独自のバーバースタイルを確立している点も特徴的だ。

アメリカのダンディでクールなバーバースタイルに対し、SCHOREMのバーバースタイルは、イギリスから生まれたパンクロックの遺伝子を受け、奇抜なロカベリーでサイコビリーのロックスタイルが取り入れられている。

SCHOREM(シュコーラム)が手がけるポマードブランド「REUZEL(ルーゾー)」

世界的な注目を集めるバーバーショップであるシュコーラムからリリースされているのが、こちらも世界的に有名なポマードブランド「REUZEL(ルーゾー)」だ。REUZELは、SCHOREMの開店当初にはまだ無かった。

SCHOREMは、店を開業して間も無く順調に多くのお客さんに足を運んでもらえるようになった。しかし、バーバーの体験を手軽に楽しんでもらうためにカット料金をローカルの金額に合わせ、さらにはビールをフリーで飲ませるなどしていたせいで、どれだけ忙しくても儲からない状態が続いていたのだ。そこで自分達のオリジナルのポマードを作って売り出したという背景があるのだと川上は語る。

ただ髪を切るだけじゃ自分達の生活を潤わせることができない、自分達のスタイルに適した自分達のポマードを作ろうということで「REUZEL」というブランドがスタートしたのだ。

SCHOREMの彼らは、REUZELのプロモーションとして世界各地でカットショーを開催している。実際に目の前で彼らの洗練されたバーバースタイルのカットを見せ、最後にREUZELのポマードで仕上げることで多くのファンを魅了する。オンラインとオフラインを駆使したプロモーション活動によって、今ではREUZELは世界トップのポマードへと登り詰めている。

アパッシュ川上とシュコーラムの出会い

SCHOREMのLeen(画像左)とアパッシュ川上(画像右)

10年以上前の昔、川上はネットでバーバースタイルの動画を見漁っている中でSCHOREMと出会った。動画で見た彼らのバーバースタイルのカットに大きく衝撃を受けたのだと語る。

それから実際に彼らと交流を持つようになったのは、2015年のSCHOREMの来日イベントの時。カットショーのイベントが開催されるにあたり、LAYRITEのドニーを何度も日本に呼んだ経験のある川上に同行役として声が掛かったのだと川上は振り返る。

イベント前日の夜、川上はSCHOREMのLeenとBertusと一緒に酒を飲んだ。言語は通じないが、とにかく日本酒をたくさん飲ませた。日本酒が飲みやすいせいなのか彼らはガンガン飲んでしまい、酔って暴れ回った。俺らみたいな不良は、何か特別なことをしないと印象に残らないから、と川上は振り返る。

とにかくその夜は徹底的に飲んで遊び、そのせいでイベント当日は二日酔いで、ショーにならないくらいトイレにうずくまって吐くほどだったと言う。しかし、いざカットショーが始まると、彼らのカットの魅せ方・技術・雰囲気に、会場のオーディエンスはみな衝撃を受けた。最高の夜だった。

そんなエピソードを経て、川上とSCHOREMは仲間のような繋がりになった。翌年に開催された香港・台湾・福岡・大阪・東京の5都市を回るツアーにも川上は同行した。また、SCHOREMから世界に向けたカットの映像を作るプロジェクトのために川上がロッテルダムまで行ったこともあった。

彼らとの交流は、主にカットショーなどのイベントを通して今でも続いている。

SCHOREM(シュコーラム)のカット技術「ブレンディング」

SCHOREMが世界から高い評価を得ているのには、もちろんバーバースタイルにおける高いカット技術が

SCHOREMが手がけるバーバースタイルにはどれも、「ブレンディング」と言う技術が使われている。ブレンディングとは、簡単に言えばフェードカットの接合部を違和感なくきれいに馴染ませるためのカットだ。

ただし、SCHOREMの彼らがカットに取り入れている「ブレンディング」の技術は、なかなか日本のシーンに広まらない。ブレンディングカットはこだわりが強い人のためのカットなので、どうしても時間がかかって効率が悪いからだ。

【ミズタニシザー】ブレンディングシザーはどうやって使ってるの?/アパッシュ公式YouTubeシャンネル

ミズタミシザーズとのコラボシザー「シュコーラムマスター」

ミズタニシザーズから発売されているコラボシザー。

シュコーラムたちがやっている「ブレンディング」というカット技術を最大限に活かすためのハサミだ。

シュコーラムから「お前にやる」と渡されたドイツ製のブレンディングシザーを元にミズタニで開発した。

ミズタニシザーズからこのブレンディングシザーがリリースされたことによって、今では多くの日本のバーバーが、比較的手ごろにブレンディングのカットを取り入れることができるようになった。日本国内においても、遠くの地の彼らの影響は計り知れない。

ミズタニのブレンディングシザー「シュコーラムマスター」

まとめ

今回は、世界的バーバーショップ「SCHOREM」の魅力や川上とのエピソードについて紹介した。国や言語、人種が違っても「バーバースタイル」というものは世界共通の文化だ。だから言葉が通じなくても、バーバーカルチャーを愛する彼らとは深い関係を築くことができるのだと思う。

これからもアパッシュは北海道を中心にイベントなどの活動を展開していくつもりだ。今後のSCHOREMやアパッシュの活動もぜひチェックしてくれ。

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