今年もバーバーバトルが開催された!
10月9日に行われたThe Traditional Barber Battle2023北海道予選は、去年以上に熱気のある盛り上がりを見せた。
今回は、熱気冷めやらぬこのバーバーバトルの現地の様子をレポートしていく!
The Traditional Barber Battle 2023について
ポマードブランド「LAYRITE(レイライト)」が主催するこの大会は、第1回大会が開催された2015年から続き、今年で9年目だ。年を重ねるごとに、大会の盛り上がりも増している。
この大会は全国規模で行われるものだ。まず全国の都道府県で予選大会を行い、予選を勝ち抜いたスタイリストが東京本戦へ駒を進める。
オープニングでは、主催者であるLAYRITEのMasaさんが、バーバーバトルの魅力や役割について次のように語ってくれた。
「カットツアーなど、ただ紹介していくだけでなく、もっとさらにバーバーカルチャーの魅力を伝えるために、バーバーバトルは大きい役割を持つ。バトルでは、人と人の関わり合い、リアル感、オーディエンスに直にスタイリストの真剣さが伝わる。
そして、バーバーバトルはバーバーの業界だけでなく、いろんなカルチャーの人が集まって一つのイベントとなる。いろんな人を巻き込める、バーバーがいろんなカルチャーのハブになれる可能性がある。一つのカルチャーにコアに集中するのではなく、今まで出会わなかったカルチャーとの出会いになるのではないか。」
バーバーカルチャーは、あらゆるジャンルのカルチャーと混ざり合う魅力がある。バーバースタイルを取り入れる人は近年さらに増え、ファッションや音楽のシーンでの結びつきも多い。
バーバーバトルは、そんなバーバーカルチャーを多くの人に親しんでもらうための一端を担うと言えるのだ。
バーバーバトル予選のルール
まずは今回のバトルのルールから紹介する。
各出場者には、まずカットを始めるまでの準備のために3分の時間が与えられる。
この3分の間に、必要なハサミやクリッパーなどのアイテムを用意し、いつでもカットを始められるようにしなければならない。この段階から、手際の良さやスピードが求められる。
バトルの制限時間は30分。
カットをスタートしてから、ポマードでスタイリングを終えるまでを30分の時間制限内で完結しなければならない。
予選ブロックは、出場するスタイリストが選んで連れてきたお客さんや友達がモデルになる。そのため、あらかじめカットのスタイルを決めておくことができる。
そして、審査では以下の4つのポイントが評価基準になる。
1.ブレンディング
ブレンディングとは、いわゆるカットの部分だ。
毛先をぼかしカチッとなる日本人の髪の毛を柔らかく見せる技術をブレンディングと呼び、メンズヘアースタイルには欠かせないポイントとなっている。
2.スタイリング
カットが終わってからのポイント、ポマードをうまく馴染ませてスタイリングできているかどうかも重要な評価ポイントだ。
3.クリエイティブ
バーバーバトルで行われるカットは、いつものように店に立ってカットするのとはワケが違う。
DJが流す音楽のなかで、目の前のオーディエンスが見て楽しめるようなクリエイティブさも評価の対象になる。
4.オーバーオール
カットやスタイリングだけでなく、全体のトータルバランスも評価ポイントに含まれる。
モデルのファッションや顔立ちに合っているかどうかが重要だ。
今回の審査員
予選ブロックから決勝までの全てのバトルの審査は、この5名の審査員によって行われた。
ダンスやアパレルなど、バーバーとはまた違うカルチャーの第一人者による審査がなされるところが、去年までと大きく違うポイントだ。
・佐藤貴司
『BARBER SHOP TRILL』のオーナー。2015年のTTBBで全国優勝し、初代チャンピオンの座を手にした実績を持つ。2021年にはWAHLアンバサダーに就任するなど、理容業界で様々な活動を行う。
・三浦和伸
札幌円山で16年続く『THE BAR BER DOZE』のオーナー。数々のコンテスト経験を持ち、全理連中央講師として全国でセミナーを行うなど、若手の育成にも力を入れている。
・渡部勝哉
札幌大通で高い人気を誇る『LADHAIR』のオーナー。ヘアショーやコンテストでも数多くの優勝歴があり、卓越したクリエイティブには定評がある。北海道美容専門学校/学校評価委員を務めながらヘアメイク講師を兼任し、後進育成にも注力している。
・MIRAI
全国から人気を集める旭川発のファッションブランド『KEBOZ』のスタッフ。大学時代はダンスサークルの代表を務め、全国的な大会で優勝する経験を持つ。ダンス、HIPHOP、クラブカルチャーなど文化に広く精通する。
・KAKERU
北海道出身のPOPダンサー。北海道で1番規模の大きいKING DANCE MATSURIで優勝する実績を持つ。イベントをオーガナイズし成功を収めるなど、常に挑戦を止めない姿勢を貫く。
白熱した予選の様子(ABCブロック)
予選はABCの3つのブロックに分かれて行われる。
最初のAブロックの準備に入ると、会場の視線も自然とステージに集まっていく。
Aブロック
最初のバトルとなるAブロックは、この4名のスタイリストによりバトルが行われた。
ステージの左から順にAブロックの出場者を紹介する。
出場スタイリストのインスタグラムのリンクも載せているので、気になる人はぜひチェックしてくれ。
・渡辺啓太 @tokoya0609(所属:BARBER YAMASHITA)
・adi @3adixx_high(所属:A-3 BARBER SHOP)
・Matsuhashi Hyota @amateras1058pt2(所属:YUZEN BARBER)
・Furuno Aito @aito.23(所属:BARBERSHOP SUBARU)
Bブロック
Bブロックは、この4名によりバトルが行われた。
ステージの左から順にBブロックの出場者を紹介する。
・Natsu @natsu.mi0410(所属:THE BARBER LUI’S)
・Fukuoka Yuto @yuto_fukuoka(所属:THE BARBER LUI’S)
・永田吉伸 @nobu_rihatsu(所属:BARBER APACHE本店)
・Rynosuke Nakade @ryunosuke__1342(所属:BARBERSHOP SUBARU)
Cブロック
予選最後のCブロックは、この4名によりバトルが行われた。
予選ブロックの組み合わせは全て抽選で行われたのだが、なんとこのCブロックは4人中3人がアパッシュのメンバーという驚きの組み合わせになった。
ステージの左から順にCブロックの出場者を紹介する。
・辻翔太朗 @always_fade_73(所属:BARBER APACHE大町店)
・須藤正喜 @s.masaki328(所属:BARBER APACHE東光店)
・山上健太 @kenpikumin(所属:BARBER APACHE本店)
・本間誉大 @takahiro_925_h(所属:Agu hair utari)
ついに、決勝進出者が決まる
予選ブロックを勝ち抜いた3名に加え、残り1席を敗者復活で争い、計4名によって決勝のバトルが行われる。
そして、上位2名にはTTBB東京本戦への出場権を手にする。
優勝すれば人生が変わるかもしれない。そんな緊張感が漂う、運命を握る決勝のステージだ。
決勝進出者の発表
予選が全て終了して審査員の点数が集計されると、全ての出場者がステージ上に集まり、それぞれのブロックの勝者が発表された。
Aブロックの勝者は
YUZEN BARBER所属 Matsuhashi Hyota!
Bブロックの勝者は
BARBER APACHE所属 永田吉伸!
Cブロックの勝者は
BARBER APACHE所属 須藤正喜!
そして、ステージの空いている1席は敗者復活者に与えられる。
勝ち上がれなかった人の中から、審査員の合計点数が一番高かったスタイリストが敗者復活として決勝のステージに上がることができる。
敗者復活の枠を見事勝ち取ったのは、THE BARBER LUI’S所属 Nastu!
以上の4名により、運命を握る決勝のバトルが行われる。
決勝のルール
審査員と評価ポイントは基本的に予選ブロックと変わらない。
ただし、決勝はいくつかの要素がプラスされ、より対応力が求められる。
まず予選ブロックと違うポイントは、スタイリストとモデルが初対面であるということだ。
そして、決勝でカットされる全てのモデルは全身をKEBOZのアパレルでコーディネートされている。
決勝の注目ポイントは、初対面のモデルを、KEBOZがコーディネートする服装に合わせてカット・スタイリングするための「瞬発的なスキル」ということになる。
北海道予選を勝ち抜き、東京本戦に勝ち進むのはこの2名!
白熱した決勝のバトルが行われた。
この日の最後のバトルということもあり、会場にいる人の目は全てステージに注がれる。
決勝進出者は、持てる全てを出し切り、会場全体が沸き上がる最高のステージとなった。
審査員の点数が集計された後、決勝を戦ったスタイリストが再びステージに戻り、張り詰めた空気のなか順位が発表された。
見事このTTBB北海道予選を勝ち抜き、来たる東京本戦に進むのは、次の2名のスタイリストだ!
2位:Matsuhashi Hyota
苫小牧にあるYUZEN BARBER所属のスタイリスト、Matsuhashi Hyotaが見事準優勝を飾った。
去年は予選敗退で終わってしまったが、2度目の出場となる今回で準優勝となり大きな飛躍を見せた。
予選も決勝も個性的で挑戦的なスタイルで勝負した彼のスタイルは、オーディエンスや審査員の目を惹きつける魅力を持つ。全国でも輝きを見せることは間違いない!
1位:永田吉伸
そして、我々アパッシュの仲間である永田吉伸が見事優勝!
去年の準優勝から勢いを落とさず、より腕を磨いた彼が今回の優勝者となった。
そして、これで2年連続での本戦出場となる!
北海道予選を優勝したことついて、本人はインスタグラムで次のように語っている。
北海道予選を1位で通過しました。
去年は2位で北海道予選を通過し本戦で予選敗退。今年こそは優勝をAPACHEへ持って帰ります。
自分のスタイルを存分にだして表現した事が認められるのはとても嬉しい限りです。
バーバーは引き出しが必要ですがこの大会だけは好きなものを遠慮なく表現できる最高のステージです。12/5 レイライトバーバーバトル本戦。
まだまだ成長し続け、いい結果を出し応援してくださる皆様北海道予選を共に戦った仲間へ最高の報告できるよう頑張ります。
東京本戦でも、この勢いのまま突き進んでほしい!
スペシャルゲストRAFUUによるライブも
予選ブロックが終わり決勝進出者が発表されるまでのブレイクタイムで、RAFUUによるスペシャルなライブが行われた!
RAFUUは、唯一無二の歌声で魅了するレゲエシンガー “LEF-T(レフティー)”と、プロデューサー “TEK(テック)”によるユニットだ。
心に響くRAFUUの曲、そしてLEF-Tの歌声は、決勝前の会場の空気を最高に盛り上げてくれた!
出店ブースの紹介
今年もたくさんのお店がバーバーバトルに出店してくれた。理容業界に限らない様々なカルチャーのお店も出店してくれたことで、よりこの大会が盛り上がるイベントになった。
次のお店やブランドが、TTBB2023北海道予選に出店してくれた。
ここで皆さんに感謝の気持ちを示したい。
- filament
- TOSHIMAYA
- LAYRITE DELUXE
- Sannasubi
- KEBOZ
- MIZUTANI
- WAHL JAPAN
- VintageBarberSupply
- 荒井特殊刺繍商店
- NECONPAS-all by hand
- 八玉商店
- Forty Original
filament
北海道十勝のビンテージショップ『filament』がキッチンカーを出店してくれた。
イベントの雰囲気に合った特別なメニューは、会場に来た多くのお客さんが食べてくれた。
Sannasubi
キッチンカーから、生地から手作りで作るこだわりのパイを提供してくれた。
会場の入り口から出る甘い香りは、イベントの楽しみが一層広がることとなった。
TOSHIMAYA
北海道の希少な山採り盆栽を中心に、樹の個性を活かした盆栽を表現する盆栽士である外島隆大さんが、ステージ横に盆栽をディスプレイしてくれた。
LAYRITE DELUXE
バーバースタイルを愛する人なら知らない人はいないアメリカ発のポマードブランド。今大会の主催者でもあるMasaさんがブースに立ってくれ、会場に来た多くの人の注目を集めた。
KEBOZ
近年、全国的に人気を集める旭川発のブランド『KEBOZ』もブースを出してくれた。
野球のカルチャーを取り入れたアパレルは、バーバースタイルとの相性も間違いない。
北海道予選の決勝では、モデルのコーディネートも担当してくれた。
MIZUTANI
バーバーには欠かせないハサミを、職人の手によって丁寧に一点ずつ仕上げるメーカーだ。理容に関わるたくさんの人の目を引いた。
Wahl Japan
バーバースタイルを語る上で欠かせないアイテムのひとつがWAHLだ。
実際にアンバサダーの声を聞きながらWAHLのクリッパーやトリマーを手に持てる機会は、会場に来た多くの理容師たちにとって貴重な体験になった。
VintageBarberSupply
WAHL正規販売店であり、バリカン、トリマー、シェーバーなど、バーバーショップが必要とするアイテムを輸入専門に扱うバイイングチーム。日本では手に入りにくいアイテムがたくさん見れる貴重な場を提供してくれた。
VintageBarberSupplyのInstagramを見る
荒井特殊刺繍商店
ヴィンテージのハンドルミシンを使用して、その場でチェーン刺繍を作るブースだ。自分の洋服にその場で刺繍を入れてくれる、とても貴重な体験を提供してくれた。
NECONPAS-all by hand
つい目を奪われてしまうネコのイラストがプリントされた、オリジナルのTシャツやスウェットを手がけるブランド。全てのイラストを指一本で描き、一枚一枚をアナログな手刷りで仕上げる強いこだわりの品々を出品してくれた。
NECONPAS-all by handのInstagramを見る
八玉商店
1950s〜60sの”SPACE STYLE”をモチーフにしたSFチックなカーアクセサリーを、手作業で一つひとつ作り上げているブランド。ビビットな色のユニークなキーホルダーは、つい買ってしまう人もたくさんいた。
Forty Original
1940s〜60sのヴィンテージカー&モーターカルチャーや時代背景などをモチーフにし、一つひとつに深い意味が込められた、こだわりのビンテージスタイルプロダクト。
ステージのすぐそばにあるこのブースは、会場をよりアメリカンな雰囲気にしてくれた。
2023年12月5日に開催されるTTBB東京本戦を見逃すな!!
今回の北海道予選から2名のスタイリストが本戦への切符を手にした。
そして、全国の強豪が集う本戦は12月5日、東京で開催される。
同じ北海道のバーバーカルチャーを盛り上げる仲間として、今回予選を勝ち抜いた2人を全力で応援する!
会場に来てくれたみんなや、この記事を読んでくれた人も、ぜひ最後の本戦までチェックしてほしい。
the Traditional Barber Battle Japan公式インスタグラム
今回のTTBB2023北海道予選の様子は、アパッシュの公式YouTubeでムービーをアップしている。こちらもぜひチェックしてくれ。