バリカンのラインを入れるのは難しい。思ったよりも太くなったり、白くなり過ぎたり、線が曲がったりする。
しかし正しい道具を選んだ上で、コツをおさえて練習すれば綺麗なラインを入れられるようになる。
そこで今回は、バーバースタイルでフェードカットやハードパートにラインを入れることが多い理容室アパッシュが、ラインの入れ方のコツから必要なアイテム、お客さんへの説明方法までわかりやすく解説する。
ライン入れで悩んでいる人は現場のサロンワークの参考にしてくれ。
バリカンラインの入れ方
バリカンラインを入れる時は、トリマーを使う。共通するコツとしては、トリマーを逆さにして優しく押し当てるということだ。
上記の写真を参考に、それぞれの方法を試してみてくれ。
ハードパートのラインの入れ方
ハードパートのラインをつける際、トリマーを逆さに持ち、分け目にしたい部分に押し当てていく。
この時注意が必要なのが、優しく置くように当てることだ。ハードパートのラインは太くなってしまうと取り返しがつかない。
「少し弱すぎるかな?」と思うくらい優しく触れる程度にガイドを作り、徐々に広げてラインにしていくと真っ直ぐなラインになる。
トリマーに慣れて、くっきりとした分け目を表現したい場合は、レザーの出番だ。ただし、レザーの扱いはトリマーよりも慎重に、数ミリずつ動かす技術が求められる。
スキンフェードライン
写真のように、一本ラインが入っただけで締まったカッコ良さが出る。特にスキンフェードとの相性が良く、フェードをかけた部分にラインを横に入れるのが一般的な方法だ。
フェードにラインを入れる際も、トリマーを裏返して持ち、優しく押し当てていく。こちらのラインは、真っ直ぐ入れるよりもカーブを描くように入れるとよりデザイン性の高いものになるだろう。
ラインの先端の延長線上に眉毛の端が来るようにするとまとまりが良くなる。
お客さんへの説明・提案のポイント
ラインを入れる時は、お客さんへの説明も大切だ。「こんな筈じゃなかった、派手過ぎる」と思われてしまうこともあるかもしれない。
フェード部分のラインは求められて入れることが多いと思うが、ハードパートは理容師の判断で入れることも多いだろう。そのため、特にハードパートはしっかり説明しよう。
例えば、「ラインを入れると、セットの時分け目が見えるから楽になるんだけど、入れていく?」や「1ヶ月くらいで元通りになるけど、気に入ったらまた入れるよ。理容師が見たら入れた後わかるから」など。
自分では上手くできたと思っていても、お客さんの想定していないことであれば驚かせてしまう。丁寧な説明と相談をしながらスタイルを作り上げていこう。
バリカンラインを入れる時のおすすめトリマー2選
トリマーはラインを入れるだけでなく、スキンフェードでシェーバーとバリカン部分を繋ぐ時にも役立つので一本は持っておくことをおすすめする。
それぞれで特徴が異なるので、一つひとつ見ていこう。
Beret(ベレ):初心者におすすめしたいトリマー
ベレは刃の幅が0.3mmと薄く、トリマーの中では比較的優しいアイテムで、パワーもやや控え目なため刈り過ぎを防いでくれる。無線で取り回しがしやすいのも嬉しいポイントだろう。
そのため、初心者がラインを入れる時におすすめしたい一本だ。まずはベレで少しずつ感覚を掴んでいき、慣れてきたらレザーやよりパワーの強いトリマーに移行しよう。
ディテイラー2nd Edition:パワーが強くスピーディに刈れるトリマー
コード式のため、パワーが落ちることなくラインを入れられるのが特徴。ただし、パワーが強い分調整が難しい。慣れてきた時に欲しくなる一本だ。
特にラインの鋭さを求める人や、スキンフェードを頼まれる人にとっても頼りになるトリマーだろう。
※似たアイテムで、ディテイラークラシックがあるが、別物な点には注意が必要だ。刃が細かく柔らかい仕上げになるため、ラインが上手くつかない時がある
バリカンラインの写真集
ここではアパッシュのクルーが実際に施術したバリカンラインを一覧で見ていこう。画像をタップすればインスタで確認できるので、気になった画像はぜひ押してみてくれ!
まとめ
今回はバリカンラインの入れ方について解説した。最後にポイントを振り返ろう。
- ラインを入れる時はトリマーを裏返して持つ
- ハードパートのラインを入れる時は、優しく置くように当て、徐々に太くしていく
- スキンフェードのラインを入れる時は、カーブを描き延長線上に眉毛が来るようにする
- ラインを入れる時は初心者には「ベレ」慣れてきたら「ディテイラー 2nd」がおすすめ
- ハードパートは特にお客さんへの事前説明と相談が重要
また、スキンフェードを綺麗にやるためのコツも以下の記事で解説しているのであわせて参考にしてくれ。