プロたるもの、アイテムにもこだわりたいところだ。
そこで今回は、ウォール(WAHL)の正規代理店であるアパッシュが、ウォールのトリマーについて解説させてもらう。
使い方や、特に現場で使うトリマー、使用後の仕上がり写真、かつて活躍したトリマーなどについても解説しているため、これからトリマーを手に取りたい人に読んで欲しい記事だ。
理解して使いこなすために、まずは知識をつけていって欲しい。
トリマーはフェードの細かい部分やスキンフェードに使う
トリマーを最もよく使う場面は、スキンフェードを作る時だ。フェードはミリ数を変えてグラデーションを作ることが大切だが、0mmから次の段階までのミリ数は大きなバリカンだと繋がらない。そんな時に、より短く、より細かく刈れるトリマーが活躍する。
髪質によるが、パワーがある方が使いやすく、後々紹介する「ディテイラー」は初心者におすすめだ。使っている動画を用意したので、まずはイメージをつけてくれ。
また、写真のように刈り上げるラインアートや、ハードパートなどのパートラインをつける時にもよく使う。本体が小型であるため、細かい部分の調整にも使えることが特徴だ。
ウォールから出ているトリマーは現在11種類あるため、まずは現場でよく使うトリマーから紹介していこう。
理容
ここでは、アパッシュでも実際に使用しており使用頻度の高いトリマーを紹介していこう。
1.CHROMINI(クロミニ)T-CUT
カットにも使えるトリマーで、細かい部分のカットで使いやすい。パワーも強く、幅が広いため一気に刈れる。
ブレンディングとの繋ぎ目に使うことができ、コームと合わせて使うことで全体的に柔らかい印象の髪型にまとめることができる。
ハサミを使ってできないことはないが、かなり時間がかかっていた。時短しつつ、柔らかい毛先を作りたい人にとっては必須の一本になるだろう。
2.ディテイラー2nd Edition / コードレスディテイラー Li
パワーがあって、イメージ的には小さなクリッパーだ。パワーを一定にしたい場合はコード式、取り回しを優先したい場合はコードレスがおすすめ。
角度が非常に良く、細かい調整ができフェードを作れるよう特化したトリマーだ。刃の溝は深いため、一気にスキンフェードを作りたい時に最適なトリマーだ。
0.4mmで、刃の取り替えも可能。おすすめの交換時期は3ヶ月に1回の交換が目安だ。替刃は「Wahl Trimmer Blade【Detailer用】」を使う。
アタッチメントも付属しており、小さなグラデーションを作る時に重宝する。
3.Beret(ベレ)
今あるウォールのトリマーの中でも、最も薄い刃でその厚さなんと0.3mm!
軽量・コンパクト・低騒音でありながらパワーがあり、刃が薄いことから肌に優しく、ベースライン、ラインアップに向いている。襟付けやフェードの下部分など細かなポイントでも使える。
裾の仕上げにも使いやすく、持ち運び取り回し共に最高の一本だ。また、肌触りも柔らかいため髭を整える時にも活躍する。
この他にもウォールのトリマーは数多く存在する。さらっと見ていこう。
過去に販売されたウォールトリマーを全て紹介
先ほど紹介した以外のトリマーについても軽く紹介する。
1.HERO(ヒーロー)
ディテイラーより軽く、取り回しが良いトリマーで元はスキンフェードには「HERO」と言われていたほど使い勝手の良いトリマーだった。
現在廃盤になっており、HEROで得たノウハウは後の「クラシックディテイラー」に受け継がれた。
2.クラシックディテイラー
HEROの刃を受け継ぎ、モーターのパワーが強くなったモデルだ。ディテイラーという名前と、見た目が非常に似ているが明確な違いがある。
クラシックディテイラーは通常のディテイラーと比べ刃の溝が浅く、少しだけ髪が伸びた人に使うトリマーだ。具体的には切ってから10日以内の髪に使えるほどの刃になっている。
3.G-whiz(ジーウィズ)
髭を整える時に使えるトリマーで、唇の上の髭を刈ると綺麗に使える。
また、首の毛を剃りたい時にも活躍する。首は皮膚が薄いため髭剃りを使うと荒れやすい。深剃りせずにG-whizを使うと綺麗にかつ肌を傷つけずに剃れるためおすすめ。
WAHL製品の中でも4,000円台と手に取りやすいアイテムのため、試しに買ってみるには最適のアイテムだ。
4.Li+Pro2(リプラスプロ2) MINI
元々クリッパーとしてLi+Pro2があり、3段階のパワー調節や日本人の髪質に合うクリッパーとして人気を博した。
このminiは、そんなLi+Pro2を小型化し、3段階のパワー調節機能はそのままに取り回しを更によくしたモデルだ。
5.クロミニプロ
クロミニプロは、リプラスプロ2が出る前段階で使われていたトリマーで、ワンタッチで取り外し可能な刃、軽量小型でハイパワーなど、リプラスプロのご先祖様らしい性能を持っていた。
襟足やもみあげ、眉毛など細部にわたって使用でき、コードレスだったことも人気のポイント。
6.8900トリマー
8900トリマーはWAHL製品の中でもかなり昔に入ってきたトリマーで、耳周り・首周りのライン付けや産毛刈りなどに使用された。
最近では見る機会も減ったレガシーなトリマーだ。今現在でも使っている人がいたら、きっと大先輩だろう。
トリマーを選ぶポイント
トリマーを選ぶ時は、まずどこの部分にどう使いたいのかを明確にしよう。
フェードに使いたいなら、バリカンとの相性も大切だ。例えば、リプラスプロ2と、リプラスプロ2ミニは同じ感覚で使え仕上がりが綺麗になるなど、使いやすさと完成時の仕上がりが変わってくる。
特に意識したいのは刈り高で、バリカンの刈り高を補うミリ数のトリマーを持っておくと良いだろう。
また、ラインアートに使用したいのなら、角があるトリマーがおすすめだ。ペンのように使えるため、丸みを帯びているものよりラインが作りやすい。
今回紹介したトリマーの特徴を理解し、どこに使いたいかを明確にして選ぶようにしよう。文字だけではよくわからないという方は、動画でも公開している。ぜひ参考にしてくれ!
トリマーを使用した髪型写真集と解説
ここではパターン別にトリマーを使った写真と解説を見ていこう。
ハードパートのパートラインに使った例
ハードパートの分け目をくっきりさせる「パートライン」を作った一例だ。全体のカットの後、コームを使って分け目を作り、そこにトリマーを入れている。
T-CUTで毛先を柔らかく表現している例
これはT-CUTを使いカットしている最中の写真。毛先をT-CUTで刈り上げることで柔らかい印象の髪になっている。
スキンフェードのグラデーションにトリマーを入れた例
ボウズにしつつスキンフェードを取り入れた髪型で、シェーバーとクリッパーの間のグラデーションを作るためにトリマーを使用している。
まとめ
今回はウォールのトリマーについて解説させてもらった。最後にポイントを振り返ろう。
トリマーを使うポイント
- スキンフェードのぼかしで使う
- ラインアートやパートラインなどラインをつける時に使う
- フェードの細かい部分に使う
理容師が現場でよく使うウォールのトリマー
WAHLからはクリッパー、トリマーも多くの種類が出ている。おすすめのアイテムを厳選したので、購入を検討している人はぜひ参考にしてくれ!
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