
バリカンの使い方は学校でも基礎的なことしか行わず、美容師の方なら現場で使っている人も少ないため勉強が大変だと思う。
特に、最近流行りの「フェードカット」を注文された時には、専用の技術が必要になるため苦労するだろう。
そこで今回は、旭川理容美容専門学校にも講師として招かれたアパッシュが、バリカンの基礎的な使い方を解説させてもらう。
この記事を読めば、基本的なフェードカットができるようになるため、ぜひ参考にしてくれ。
バリカンを使う上で基礎になる2つのポイント
まずは全ての基本となる持ち方と動かし方を見ていこう。
ポイント1:基本的な持ち方「軽く握る」

まず、バリカンは軽く持つことが大切だ。力を入れて持つと硬い動きになり、上手く動かせない。
スーパーテーパーであれば表は親指を置く場所、裏はそれぞれの指を置く溝があるため迷うことは無いだろう。
また、持ち方と合わせて重要なのが立ち位置で、やや離れ気味で振るとバリカンを動かしやすくなる。

ポイント2:基本的な動かし方「Cムーブで動かす」
クリッパーを一番使用する場面はフェードカット を作る時。フェードを作るには、Cムーブが必須となる。その名の通りCの形になるようにバリカンを下から上にすくい上げる方法で、綺麗なグラデーションを作るための技術だ。
イメージとしては、缶ジュースを飲む時の手の動きをイメージしてバリカンを振ると良い。
練習の時にはアタッチメントのNo.2(6mm)が動かしやすく、感覚を掴みやすいためおすすめだ。No.2(6mm)のアタッチメントの感覚が掴めたら、アタッチメント無し、No.1/2(1.5mm)の順で慣れていこう。
細かいやり方については動画で紹介しているので、合わせて見てほしい。
WAHLのバリカンを使っているなら、刈る前にオープンなのか、クローズなのかを確認してから行うようにしよう。
ただし、コームを使う時はCムーブは使わない。コームと合わせたバリカンの動かし方も見ていこう。
バリカンを現場で使いこなす3つのポイント
次に、バリカンを現場で使いこなすためのポイントを見ていこう。
ポイント1:コームと合わせて使うには、ガイドラインに沿って動かす
初心者にはガイドライン付きのコームをおすすめする。ガイドラインに沿ってバリカンをうごかすと、ズレることなく安定したカットが実現できるからだ。
イメージとしては、ガイドラインの溝に沿って刃の端を滑らせるイメージ。スーパーテーパーの端などはガイドラインに合うよう設計されているため、一度マネキンで練習してみよう。

コームのガイドラインに沿って動かす方法を、主観視点の動画で撮影した。こちらも参考にしてくれ。
ポイント2:アタッチメントは長い方から使う

バリカンにつけるアタッチメントは、長い方から使おう。理由としては、失敗しにくいからだ。
例えば、12mm、6mm、3mmの順で使えば、12mmの時にやや形が崩れたとしても6mmの時にカバーできる。
反対に、短い方から使ってしまうと刈り上げ過ぎてしまった時に取り返しがつかなくなり、カッパの皿のような見た目になってしまうため注意しよう。
フェードを作る時は、三段階に分けて刈ることも重要だ。
ポイント3:フェードを作る時は三段階に分けて刈る
これは言葉で説明するよりもまず動画を見てもらった方がわかりやすいだろう。
フェードは三段階に分けて刈る。一例としては以下の通りだ。
- 長いアタッチメントで刈り上げる(6mmなど)
- アタッチメント無しの短い部分を刈り上げる
- その間を繋げるように刈る(3mmなど)
長い部分、短い部分、その間の順番で刈ることで、綺麗なグラデーションができあがる。いわゆる「ぼかし」と言われる部分で、特に「マジッククリップ」などが役立つ場面だ。
ここまではバリカンの動かし方、フェードの作り方について説明した。次は、バリカンを使う中でのメンテナンス方法について解説しよう。
バリカンのメンテナンス方法

バリカンのメンテナンスは、日常のメンテナンスと刃交換の2種類に分けられる。それぞれ見ていこう。
日常のメンテナンス
【日常のメンテナンス】
- (10分以上ブレードを使用した場合)ブレードアイスをかける
- 使用前にはオイルを差し(ブレードの左・中央・右、両側面)、電源を一度つける
- 使用後はクリニクリップ(消毒兼潤滑油のスプレー)をかけ、乾いたタオルで拭き取る
【日常のメンテナンスに必要なアイテム】
動画も用意したので、油を指す箇所など細かい部分も確認してくれ!
刃(ブレード)の交換
【刃の交換】
- ブレードを外す
- ブラシで内部についた毛を落とす
(エアダスターがあればなお良し)
- 上刃をはめ込む(表裏に注意)
- 下刃を被せてネジを仮止めする
- デジタルノギスを使い調整する
- ネジを本締めする
- 刃が平行になっているか確認する
- アタッチメントをつけて、異音が鳴らないかチェックし終了
【刃の交換に必要なアイテム】
- プラスドライバー
- デジタルノギス
- バリカンに対応した替刃
替刃の交換についても動画も用意した。イメージをつけてから交換してみよう。
まとめ
今回はバリカンの基本的な使い方について紹介した。今回紹介した内容を実践すれば、基本的なフェードカットができる。しかし、フェードは奥が深く「ハイフェード」「スキンフェード」など種類毎にそれぞれコツがある。
まずは基本的な使い方をマスターして、応用を少しずつやっていこう。
今回のポイント
- バリカンの基本的な持ち方は親指を表面につけ、裏面に4指を這わせて軽く握る
- フェードを作る動かし方はCムーブが基本
- コームのガイドラインに合わせてバリカンの端を滑らせる(この時はCムーブをしない)
- アタッチメントは長い方から使う
- フェードを作る時は三段階(長い>短い>中間)に分けて刈る
以上がフェードカットを作る時の、バリカンの基本的な使い方だ。
初心者でも扱いやすく、簡単にフェードを作りたいバリカンを探しているなら「スーパーテーパー」一択になる。アパッシュクルーも多く使用している基本的な一本だ。
初心者向けの「スーパーテーパー」を見てみる
また、基本をマスターしてさらにこだわった仕上げをするなら、バリカン以外に2種類のアイテムが必要になってくる。
さらにこだわった仕上げをするなら、トリマー、シェーバーがおすすめ

WAHLからはバリカン以外にも、より小回りの効く小型のトリマー、スキンフェードを作りやすいシェーバーが出ている。
それぞれの種類の特徴と使えるポイントについては以下の記事にまとめてあるので、一段階上のフェードを作りたい人はぜひ見てくれ。
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