「ノークリッパーノーライフ」は、200個限定で販売されたWahl社のオリジナルクリッパーモデルだ。ベースは「スーパーテーパーⅢ」。もっともベーシックで使いやすい万能タイプである。
「ノークリッパーノーライフ」の製品名は、なんと当店アパッシュのオーナー・川上のタトゥーに由来している。日本にWahlクリッパーを広め、バーバー業界を牽引してきた川上に、Wahl社が直接コラボを申し入れてくれたのだ。
クリッパー一筋でバーバー街道をひた走ってきた川上の後頭部には、「No Clipper No Life」の文字が刻まれている。クリッパーを語らせたら右に出る者はいないだろう。そんな彼の生き様や精神性が、そのままクリッパーになったのだ。これを語らずにはいられようか。
そこで今回は、クリッパーマスター川上が「ノークリッパーノーライフ」の誕生秘話について、彼の“パダ=ワン(弟子)”であるアパッシュメンバーが実際に手に取った所感について語っていこうと思う。
「ノークリッパーノーライフ」の誕生秘話
「No Clipper No Life」と偶然の出会い
誇らしげに川上の後頭部に刻まれている「No Clipper No Life」のタトゥー。
デザインは東京のタトゥーショップHight Five Tattoo のJun氏によるもの。Jun氏はメキシカンカルチャー「チカーノスタイル」を得意とするタトゥーアーティストである。
「自分の人生にクリッパーは欠かせない存在となった。だから、何らかの形でそれを表現したくなった」
川上は当時のことを思い返す。
アメリカを発祥とするバーバーカルチャーを愛してやまない川上。Wahl社のクリッパーは、川上の情熱に応えてくれる唯一無二の“相棒”だった。
クリッパーなくしていまの自分はない。クリッパーのおかげで、アメリカのカルチャーを深く理解することができた。そしてバーバースタイルに通底する精神性が、自分のライフスタイルをも形作っている。
クリッパーはまさに人生そのものなのだ。
「No Clipper No Life」――この言葉が自然と脳裏に浮かんだ。すぐに川上は後頭部を刈り上げ、東京に向かった。
東京に着くなり、川上は旧知の仲であるHight Five TattooのDevil Sin氏のもとを訊ねた。Devil Sin氏は川上がタトゥーアーティストとして絶大な信頼を寄せる人物だった。あいにくスケジュールは埋まっていた。そこでDevil Sin氏は自分の弟子であるJun氏を紹介した。それはまったくの偶然だった。しかしその偶然の出会いが、「ノークリッパーノーライフ」を生み出したと言っても過言ではなかった。
偶然が必然に。Wahl社が川上の情熱を受け止めた
「No Clipper No Life」のタトゥーを後頭部に入れてから、たびたび会うWahl社の社長に「それいいね」と言われるようになったという。それが「ノークリッパーノーライフ」誕生の小さなきっかけだったのかもしれない。
数年後、Wahl社が川上本人にコラボモデルの話を持ち掛けてくれた。
川上のクリッパーに対する敬意と、彼のスピリットを体現したJin氏の見事なレタリングアート。「No Clipper No Life」は二人の“職人”による共同作品だ。Wahl社は、「このデザインをそのまま使わせてほしい」と提案してくれた。
ベースに「スーパーテーパーⅢ」が選ばれた理由
「ノークリッパーノーライフ」の開発中、川上はWahl社の社員に、ベースとなるクリッパーの機種はどれがいいか意見を求められた。
候補の中には、“売れ筋”を狙えそうなクリッパーもあった。客ウケを考えるのであれば、その選択も正しいと言えた。川上は逡巡し、やがてこう答えた。
「クリッパーの中で一番基本となるのがスーパーテーパーⅢだから、この機種をベースにしてみてはどうか」
スーパーテーパーⅢは、初級者から上級者まで幅広く扱える非常にベーシックなクリッパーだ。すべての基礎が詰まっている。「クリッパー使用者を育てる」機種といってもいい。上級者なら、基礎に立ち返ってさらに腕を磨くことができるだろう。
川上がスーパーテーパーⅢを選んだのは、このクリッパーを通して「基礎の大切さ」を知って欲しいという強い想いがあったからだ。
川上が伝えたいこと
道具を持つ喜びや、こだわりを見つける楽しさを込めた「No Clipper No Life」という言葉を、ご縁があってWahl社さんに表現してもらうことができました。とても誇らしいことです。
でも僕は別に、クリッパーとコラボしたことを自慢したいわけじゃない。クリッパーは、「楽しい」から仕事を始めなきゃならないことを教えてくれた。だから、その人生哲学をクリッパーで表現したかった。
「楽しい」から始めないと、人は仕事に真剣にはなれない。いくら努力しても、楽しんで仕事している人には勝てないことを、僕は知っている。そして何より、お客さんは楽しんで仕事をしているところに集まるのです。
だから僕はこのクリッパーを使うことで、「今日もお前は仕事を楽しめているか」と自分に問いかけるようにしているんです。
アパッシュメンバーが語る「ノークリッパーノーライフ」
「僕たちは、川上さんの仕事を目の前で見ることはない。ずっと後ろ姿をみて学んできた。
「No Clipper No Life」というタトゥーは川上さんの後頭部にあるから、アパッシュメンバーにとって最も身近なタトゥーともいえる。そんな川上さんのタトゥーがクリッパーになっていることは、本当に価値があることだと思う。」
(アパッシュ一同より)
アパッシュのメンバーに「ノークリッパーノーライフ」について想いを語ってもらった。
Wahl社は今まで数々のバーバーショップとコラボしてきているが、一個人とコラボしたことはなかった。「川上昌博」にスポットが当たっているのは本当にすごい!
ベースはスーパーテーパーⅢで機能としては変わりないのですが、ボスのタトゥーがあるってだけで気持ちが引き締まります。「ノークリッパーノーライフ」には、当時は衰退していたバーバーカルチャーをここまで押し上げてくれた人の生き方が示されています。これからもこの業界で一緒に頑張ろうという気持ちがあるならぜひ使って欲しいですね。
ちなみに、僕は大事すぎてまだ使っていないです。
先月ビリヤード帰りに「俺のクリッパーが出るわ」と知らされびっくりした。「やっときたか」という思いがある。数年前からあったコラボの企画だった。今回、満を持しての登場。先行販売でお客さんの手に行き渡ってから、僕らはようやく後になって購入できた。結構焦らされました(笑)
「ノークリッパーノーライフ」は僕にとって「お守り」です。川上さんやアパッシュの存在を片時も忘れないよう、どんなときでも肌身離さず持つ。そんな存在です。バトルやセミナーなど、ここぞという時に使いたいですね。もっと仕事が楽しくなるような気がします。
率直に、「かっこいいな」「羨ましいな」という気持ちがありますね。自分も技術者なので、いつか自分の想いをデザインしたものが道具になればいいなと思います。
「ノークリッパーノーライフ」はまだ使わずに施術台の上に飾っています。というのも、一番最初に使いたい人がいるからです。そのお客さんは、学生時代からずっと通ってくれている友人です。僕が川上さんからフェードを学んで一番最初にお客さんになった人でもあります。
子供が生まれて忙しくて、なかなかお店に来れていないのですが、次に来る時は、一発目にその人に使いたいと思っています。
かっこいいし、すごい。仕事へのモチベーションにも繋がっている。「ノークリッパーノーライフ」は、既になくてはならない道具になった。
ノークリッパーノーライフの特徴
スーパーテーパーⅢを元に作られた「ノークリッパーノーライフ」。スーパーテーパーⅢはクリッパーの代表的な機種だ。
モーターは一番ちょうどいいパワーに調整されている。オールマイティーブレードは、カットもフェードもできる。様々なシーンで使い分けが可能。必ず手元に置いておきたい、バーバーカットの基本の一台ともいえる。
「なにを買えばいいですか」と聞かれたら、アパッシュはいつもスーパーテーパーⅢをおすすめしている。
この機種を基本として、実現できないスタイルを他のクリッパーで補うように道具を選んでみて欲しい。
以下の動画ではスーパーテーパーⅢについて詳しく説明している。
ノークリッパーノーライフの購入はこちらから
商品をみてみるまとめ
今回は、川上のタトゥーがあしらわれたクリッパー「ノークリッパーノーライフ」について、川上本人とアパッシュメンバーに語ってもらった。
志の高い者なら、川上の仕事観や人生観が凝縮されたこの言葉に、共感を寄せずにはいられないのではないか。残念ながら数には限りがある。生産200個の限定品だ。気になる人はぜひ早めにチェックしてほしい。
業者用公式LINEでは最新のクリッパー情報や限定商品も紹介している。商品の卸の問い合わせも受け付けているので、LINEの登録よろしく!
アパッシュスタッフのInstagramもスタイリングの参考にしてみて欲しい。フォロー大歓迎!
◇Apache Owner 川上 昌博
◇Apache Omachi Shop 宮崎 剛瑠
◇Apache Omachi Shop Manager 西 恭兵
◇Apache Main Shop Manager 鈴木 琢将
◇Apache Main Shop 永田 吉伸
◇Apache Omachi Shop 須藤 正喜
◇Apache Main Shop 川田 竜也