「フェードカットをやり始めたけれど、綺麗なグラデーションが作れない…」
フェードカットのグラデーションは、僕たち理容室「アパッシュ」に多く寄せられる悩みであり、僕たち自身がぶつかった壁だ。
そこで今回は、フェードカットの技術を追求し続けるアパッシュが、中級者向けに綺麗なグラデーションの作り方を解説していく。
初心者向けのフェードカットを作る際の基礎的なバリカンの使い方は以下の記事で解説しているため、初心者の方にはまずこちらを読んで欲しい。
その上で、フェードカットをさらにうまく作るコツを知りたい、現場でのノウハウを知りたいという方はぜひこの続きを読んでくれ。
フェードカットを作るための考え方:三段階に分けて切る
フェードカットは三段階で切るイメージを持とう。
フェードは三段階に分けて刈る。一例としては以下の通りだ。
- 長いアタッチメントで刈る(4.5mmなど)
- 短いアタッチメントで刈る(3mmなど)
- アタッチメント無しの短い部分を刈る
刈り上げる部分を決め、グレーの部分を作り、白い部分を作るイメージだ。
フェードカットのやり方
今回はフェードカットの中でも特にフェード部分がわかりやすい「ハイフェード」を例に紹介していこう。
今回紹介する内容については、YouTubeで動画公開もしている。
STEP1:接合部のベースラインを作る
4.5mmのアタッチメントをつけて、クローズ状態でカットしていく。この時は一気に刈り上げてOKだが、「ベースラインがズレそうで怖い」という方は、先にコームでガイドを作ってから刈り上げると失敗しにくい。
STEP2:4.5mmから下部分をNo.1(3mm)で刈る
今作った4.5mmにグラデーションがかかるように、No.1(3mm)のアタッチメントで刈り上げて行く。この時、STEP1よりもやや細かく振るとグラデーションを調整しやすい。
No.1で刈り終わった後にグレーの部分ができていればOKだ。
STEP3:アタッチメント無しで刈る
アタッチメント無しで耳周りを刈り上げていく。この時、髪が細い人はシニアで、太い人はディテイラーを使って白さを調整していこう。
頭に凹凸がある場合は、バリカンの端(コーナー)を使いくぼみに入っていくと刈りやすい。
STEP4:グレーの部分をNo.1/2(1.5mm)で繋げていく
アタッチメントのNo.1/2(1.5mm)を使い、グレーの部分にグラデーションをつけていく。
この時、黒い部分に差し掛かる所は扇状に上がっていく。ここは特に重要なので動画で確認してくれ。
STEP5:全体を整える
カットした面を全体的に見て、刈り残しは無いか、綺麗なグラデーションになっているかを確認していく。
お手本の写真を用意したので、練習の時に照らし合わせてみてくれ。
フェードカットを簡単にぼかすコツ:カット前のイメージを具体的に掴む
ぼかしが上手くいかないなら、一度基本に立ち返り「どのラインをどの長さで刈り上げるか」を具体的にイメージしてみよう。
基本的には「1.5mm」「1mm」「0.5mm」「0mm(0.1mm)」の4つラインを刈って、その間をぼかすようレバーを調節していければ綺麗なグラデーションになる。
柔らかいぼかしにしたいなら、「マジッククリップ」もおすすめだ。「ぼかしの天才」と呼ばれるほど、ぼかしに特化したバリカンで使いやすく、簡単にフェード部分をぼかすことができる。
マジッククリップについて詳しくは以下の記事で紹介している。使う場面や手入れ方法、内容品についても詳しく解説しているので、ぼかしでお困りの方はぜひ一度参考にしてくれ。
今回の解説で使ったアイテム
シニアを選べばスパッとした印象のフェードに、スーパーテーパーを選べば柔らかめなフェードにできる。
フェードカットにおすすめのバリカン
WAHLのバリカンはフェードカットしやすいよう作られている。ここでは、目的別におすすめのバリカンを紹介しよう。
断面の鋭いフェードを作りたいなら:シニア
今回紹介した動画でも使っている「コードレス シニア」。比較的パワーが強いかつ切れ味が鋭いため「パシッとしたフェード」を作りたい人におすすめだ。
スタンダードな一本のため、スーパーテーパーと並んで採用率の高い便利なバリカンだ。
一気に刈り上げたい、短い時間で刈りたいなら:レジェンド
幅広でストロークがしやすいことが特徴で、パワーも強く切れ味も鋭い。シニアと比べ一気に刈り上げられるバリカンで、新テクノロジーの刃「ウェッジブレード」によりパリパリと音が鳴る。
この音が聞こえなくなったら刈り終わりの合図。目、耳、触覚でどこまで刈っているかがわかる、使い手にも優しいバリカンだ。
長さの調整をシンプルにしたいなら:リプラスプロ2
「Li+ Pro2 (リプラスプロ2)」はWAHLのクリッパーの中ではかなりスリムなため、女性人気も高い一本だ。
レバーが段階式なことが特徴で、今何ミリで刈っているのかを確認しながら刈り上げられる。ブレードを交換することでミリ数の幅を変えられるため、感覚でなくロジカルにグラデーションを作れるバリカンだ。
3段階のパワー調節ができ、バッテリー残量に関係なくパワーを一定に保つシステムが搭載されているため初心者にも扱いやすい。
その他のWAHLバリカンについては、以下の記事で詳しく解説している。アパッシュが現場で使っているものを厳選したので、ぜひ参考にして欲しい。
まとめ
今回はフェードカットの作り方について解説した。最後にポイントを振り返ろう
- フェードカットを作る時は三段階に分けて切る
- バリカンはシニアorレジェンドorリプラスプロ2がおすすめ
- フェードカットをぼかすには、カット前のイメージを具体的に掴む
- 接合部のベースラインを作る
- 4.5mmから下部分をNo.1(3mm)で刈る
- フェードカットをぼかすには、カット前のイメージを具体的に掴む
- グレーの部分をNo.1/2(1.5mm)で繋げていく
- 全体を整える
フェードカットは奥が深く、正解がわからず悩む方も多いと思う。そんな努力家のあなたに向けたヒントを、ブログ記事やYouTube動画で公開しているためぜひ知識を深めて実践してみて欲しい。
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