職人の中では「弘法筆を選ばず」
という言葉がある。
この言葉をどう捉えるかは、その技術者に
よって違うと思う。どんな道具を使っても
これ以上ない最高のパフォーマンスを
発揮できるのは理想だと思う。
しかし自分はそれは不可能だと思う。
世界基準のトップアスリートを
例にとってみると。。。。。
短距離走の選手は非凡な才能と鍛え抜かれた
身体、科学的アプローチに裏付けられた技術が
ある、それでも縮まらない0コマ1秒の世界を
シューズやウエアの性能で削りとる。
選手が走る事に全てを注ぐように、
選手の道具を作る事に全力を注ぎ、
人生を賭けている人や会社がある。
道具は使用者のニーズを受けながら様々な
角度から洗練されていき、用途に合わせた
専用のものが産み出されていく。
barberに置き換えると。。。。
技術者は選手、バリカン、ハサミ、クシ、
ポマードはシューズやウエアとなる。
プレーヤーとして、最高のパフォーマンスを
する為に作られた道具を使う事は
必然ではないだろうか?
自分は刈り上げの美しさにフォーカスして
仕事をするようにしている。
使用するクリッパーは
もちろんアメリカの老舗メーカーWAHL。
合理主義の国で生まれたマシーンはパワフルで
使い手のテクニックが必要となるが、
確かな技術を持ったものが扱えば、
更なる完成度の領域で仕事をする事ができる。
マシーンの性能を最大限に引き出すのも
技術者としての課題。
用途に応じて様々な使い分けが必要となる
WAHLクリッパーは愛着がわく。