お年を召された方をカットさせていただいたりする時に、恐縮ながら明治天皇様に似ていると言われる事が度々ある。自分は髭を蓄えていて、そのせいもあると思うが、無くても言われた事があった。
かつて日本に髪型の自由は無く、男の髪型はチョンマゲだけであって逸脱したものは許されなかった。しかし明治時代に入り文明は開花、1871年の9月23日に“散髪脱刀令”と言う法令が発令される。これは「髪型勝手たるべし」とし、髷を結う事もそうでなくとも構わないと言う法令だった。つまりこの日、日本男児は髪型を選べるようになったのだった。
しかし、その法令はすぐには大衆には広まらず、多くの人々が髷を結ったままであったが明治天皇の散髪がきっかけとなり、一気に髪型の変化が広がったのだそうだ。自分はその明治天皇様に似ていると言われるのである。barberとしてシンパシーを感じたエピソードだった。そして何を隠そう髪型が選べるようになった日、“散髪脱刀令”が発令された9月23日は自分の誕生日である。
それを知った時、自分は“choose hairstyle(髪型を選べ)”というメッセージを発信しながらbarberを生業にしていた。barberとの共鳴を強く感じた。モチベーションも上がる。